令和5年9月に新規作用機序の認知症治療薬「レカネマブ(レケンビ®)」が薬事承認され、今年になり使用できる体制が整いつつあります。
この薬は、停滞している認知症治療を一歩進める薬と期待されていますが、いろいろ問題点もあります。
まず、薬の特徴を説明し、わかりやすく利点と欠点を挙げてみます。
レカネマブ(レケンビ®)の概要
●抗アミロイド抗体薬で、脳内に蓄積したβアミロイドを除去する。認知症はβアミロイドが脳に過剰に蓄積して進行に寄与している。
●残念ながら、悪化した認知機能を元通りにする効果はなく、進行を止める薬でもない。症状の進行を7.5カ月(~3年)程度遅らせる効果が確認されている。
●適応となる方は「軽度の認知症」の方。まず簡易検査で適応となる可能性を判断します。
●日本のエーザイ株式会社とアメリカのバイオジェン社が共同開発した薬です。
<利点>
◎新たな作用機序の認知症治療薬で、停滞していた認知症の治療を一歩進める可能性がある薬です。
<欠点>
△点滴治療薬。しかも脳機能評価機器(MRI, PETなど)が整った基幹病院(小牧市民病院など)での治療となる。
△高額(高額療養費となる)。治療薬が高額なのもあるが、治療前の検査でアミロイドPETなど高額な検査も受けなければならない。その結果で最終的な適応があるか判断される。
△治療期間。2週間毎の点滴治療が1年~1年半に及ぶ。その間通院が必要。
今回は簡単にまとめました。
この内容を読んで治療に興味がある方には相談に応じます。
<当院での対応>
当院では、①問診と検査、②結果説明とレカネマブ関連の話、の2回に分けて診察対応します。
受診希望の際は事前に電話で予約を取られることをお勧めします。
また、受診当日はお薬手帳(現在の内服薬がわかる資料)を持参ください。
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もっと詳しい情報を事前に把握したい方は国立長寿医療研究センターのHPを参考にしてみてください