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院長ブログ

今週のコロナニュース⑫ 変異株ウイルスについて

2021年5月8日

変異株ウイルスってなに?

『N501Y』 『E484K』 『B.1.1.7系統』 『VOC-202012/01』 『501Y.V1』、これらの単語の意味分かります?これら全てはコロナ変異株の特徴を表す言葉です。 難しいですよね?

♦ なぜ難しいのか?

♦ ざっくり言うとどういう事?

♦ 結論   ・・・・・この3点だけ説明します

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Q1.なぜ難しいのか?

まず、下の図を見て下さい(https://nextstrain.org/blog/2020-06-02-SARSCoV2-clade-naming)

 

 

 

 

これは新型コロナウイルス感染症の変異の過程で新しい株が次々に出てきていることを表しています。つまり、かなり多い数の変異株が存在するという事です。

次に、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の一貫した命名法がなく、GISAID / PANGO / Nextstrainなどの複数の科学者集団やWHOが変異株の系統をそれぞれ命名しており、世界で使用されています。例えば、いま日本で猛威を振るう『N501Y』変異株とは、『GISAID clade GR』であり、『B.1.1.7系統』であり、『Nextstrain clade 20I/501Y.V1』であり、『VOC-202012/01』です。つまり同一変異株でも複数の呼び名があるというわけです。

ちなみに、N501Yとはコロナウイルスの表面の突起(スパイク蛋白)のごく一部分であり、その蛋白に変異を持つウイルスは複数あります。日本で今流行している変異株GR系統』『B.1.1.7系統』『20I/501Y.V1系統』、『VOC-202012/01』と表現するのが正確であり、『N501Y』変異株という表現は正確ではありません

もっと正確に言うと、ウイルス変異株は時間とともに小さな変異を起こしてくるので、イギリスから日本入ってきた変異株も、今となったらイギリスの変異株と全く同じとは言えません。

どうでしょう?頭が痛くなりますね・・・  私もです。

国立感染症研究所の下記のページとウィキペディアの下記のページが分かり易かったので、さらに知りたい方は参考にしてみて下さい。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/10220-covid19-36.html

https://ja.wikipedia.org/wiki/SARSコロナウイルス2の変異株

 

 

Q2.ざっくり言うとどういう事?

A. 新型コロナウイルスの変異株には一貫した命名法がなく、一般人(医師でも)には説明が難しい。今日本で流行しているのはイギリスで最初に報告され『VOC-202012/01』の変異株で、その変異株の特徴の一つがコロナウイルスの表面の突起(スパイク蛋白)の一部分(N501Y)に変異がある。

 

 

Q3. 結論

A. 変異株が問題になるのは従来株より感染力が強く、重症化率・死亡率が高くなるからです。またコロナワクチンの有効性にも影響することが懸念されています。変異株ウイルスがどれくらい感染力が強く、どれくらい死亡率が高くなるのか、どれくらいワクチンが効きにくくなるのかは変異株の種類次第です。その変異株には多くの系統(種類)があって、今日本で流行している変異株も時間とともに変化するため『どのくらい悪いのか』を議論することは一般人に難しく、ただ、『変異株は従来株より危険』と理解しておけば間違いないと思います。今は『イギリス型』の流行ですが、半年後の日本には違う変異株が主体となっているのではないでしょうか。

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専門家は地理的な名称を使う『イギリス型』、『南アフリカ型』、『ブラジル型』などは偏見の原因にもなるため使用しませんが、一般人にはこちらの方が分かり易いのではないでしょうか?

 

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