体重が100kgを超えている。BMIが35を上回っている。健康診断で毎年指摘され、何度もダイエットを試しては戻ってきた。
このページは、そうした方に向けて書いています。
「自分は対象外ではないか」と思っている方へ
医療ダイエットのクリニックのホームページを見ると、「あと5kg」「服のサイズをひとつ下げたい」といった方に向けた言葉が並んでいます。そのため、体重が100kgを超えている方ほど、「自分のような人間が行っていい場所ではないのではないか」と感じてしまいがちです。
そんなことはありません。むしろ逆です。
医学的に見れば、BMIが高い方ほど、減量によって得られる健康上の利益は大きくなります。血圧、血糖、脂質、睡眠時無呼吸、膝や腰の負担――体重が5%減るだけでも、これらは目に見えて改善していきます。
当院には、100kgを超える方、150kgに近い方も通院されています。
高度肥満は、循環器の問題でもあります
当院は循環器内科です。肥満外来を行っているのは、美容の観点からではなく、体重が心臓と血管に直結する問題だからです。
心臓への負担
体重が増えると、全身に血液を送るために心臓はより強く働かなければなりません。この状態が続くと心臓の壁が厚くなり(心肥大)、やがて心不全につながることがあります。高血圧を合併していれば、負担はさらに重くなります。
減量は、この負担を直接軽くする治療です。
睡眠時無呼吸症候群
高度肥満の方の多くに、睡眠時無呼吸症候群が隠れています。いびきが大きい、日中に強い眠気がある、朝起きたときに頭が重い――こうした症状に心当たりがあれば、検査をおすすめします。
睡眠時無呼吸は、夜間の低酸素を通じて高血圧・不整脈・心不全のリスクを高めます。当院では検査から治療(CPAPなど)まで対応していますので、減量と並行して進めることができます。
このように、血圧・睡眠時無呼吸・心臓の状態まで含めて診られることが、循環器内科で肥満治療を受ける意味だと考えています。
当院の進め方 ―
6ヶ月で1クール、達成するまで繰り返します
当院の減量期は、6ヶ月を1クールとしています。
1クールの目標は10〜15%減
BMI40以上の方の場合、1クールの目標は開始時体重の10〜15%減です。
体重120kgの方なら、6ヶ月で12〜18kg減が目標になります。急激な減量は筋肉を大きく減らし、その後のリバウンドを招きます。半年でこのペースは、医学的に見て十分に速いペースです。
高度肥満の方に特有の注意点
急激に減らさないこと
減量のペースが速すぎると、胆石ができやすくなることが知られています。また、筋肉量の減少や、まれに不整脈のリスクも問題になります。当院では、体重が月に2%以上減っている間は、お薬を増やしません。効いている限り、少ない量で進めるのが安全だからです。
たんぱく質と筋肉を守ること
体重が大きい方ほど、減量に伴って失われる筋肉の絶対量も大きくなります。たんぱく質は、目標体重1kgあたり1.2g/日を目安にしっかり摂ってください。当院が全員にお願いしている生活指導は、実質これだけです。
運動は、できる範囲で構いません。膝や腰に痛みがある状態で無理に歩くと、かえって続かなくなります。まずは体重が減り、関節の負担が軽くなってから体を動かす――この順序でまったく問題ありません。
体重計・診察室・待合室のこと
当院の体重計は200kgまで測定できます。診察室で体重を測る際、周囲に数値が聞こえることはありません。血圧計は上腕が太い方向けの大きめのカフをご用意しています。
また、待合室で長くお待たせしないよう、肥満外来は予約制で運用しています。ご希望があれば、周囲の目が気になりにくい時間帯での予約もご相談ください。
「太っていることを責められるのではないか」という不安をお持ちの方もいらっしゃいますが、私たちはそうした診療をしません。ここまで来られた経緯にはそれぞれ事情があり、意志の強さの問題ではないことを、医学的に理解しているからです。
よくあるご質問
体重が何kgまでなら治療できますか?
上限は設けていません。ただし、心不全や重い呼吸障害など、先に治療すべき状態がある場合には、そちらを優先することがあります。診察と検査で判断します。
糖尿病の薬を飲んでいますが、併用できますか?
糖尿病を治療中の方は、保険診療での治療が適している可能性があります。まず現在の治療内容を確認させてください。併用の可否や薬の調整も含めて、診察でご相談します。
減量手術(スリーブ状胃切除術など)は考えたほうがいいですか?
BMIやお体の状態によっては、外科手術が選択肢になる場合があります。当院では手術は行っていませんが、必要と判断される場合には、対応可能な医療機関をご紹介します。まずは薬物療法で進め、経過を見て一緒に考えていくのが現実的です。
血圧の薬や睡眠時無呼吸の治療も一緒に受けられますか?
はい。当院は内科・循環器内科ですので、高血圧・脂質異常症・睡眠時無呼吸などの診療を並行して行えます。減量が進めば、これらの薬を減らせる場合もあります。
どのくらいの期間、通うことになりますか?
高度肥満の方の場合、減量期に1年〜1年半、その後の維持期は期限を設けていません。長いように感じられるかもしれませんが、これまでの経過を考えれば、確実に進む道を選ぶ価値はあると考えています。
まず、一度お話を聞かせてください
初診では、これまでのダイエット歴、現在のお体の状態、生活の状況をうかがい、身長・体重・血圧の測定と血液検査(肝機能・腎機能・血糖・HbA1c・脂質)で全身をチェックします。
そのうえで、無理のない目標と計画を一緒に決めます。心臓や睡眠時無呼吸について気になる点があれば、あわせて検査をご提案します。
「まだ決心がつかない」という段階でも構いません。話を聞いてから考えていただければ十分です。
※効果や必要な治療期間には個人差があります。
※当院の肥満外来は自由診療です。費用ページをご覧ください。
まずは一度、
診察でお話を聞かせてください
〈医薬品の承認状況等に関する重要事項〉
■ ゼップバウンド(一般名:チルゼパチド)
- 国内で「肥満症」の治療薬として承認された医薬品です。保険診療で使用する場合には施設基準等の要件が定められているため、当院では自由診療として提供しています。
- 国内の医薬品卸売業者を通じて正規流通品を仕入れています(個人輸入は行っていません)。
■ マンジャロ(一般名:チルゼパチド)
- 国内では「2型糖尿病」の治療薬として承認されています。減量目的での使用は、承認された効能・効果と異なる「適応外使用」(自由診療)です。
- 同成分(チルゼパチド)の製剤「ゼップバウンド」が、肥満症の治療薬として国内で承認されています。
- 同成分の製剤は、米国FDA(食品医薬品局)においても肥満症治療薬として承認されています(2023年)。
- 国内の医薬品卸売業者を通じて正規流通品を仕入れています(個人輸入は行っていません)。
- 適応外使用において重篤な副作用が生じた場合、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があります。
■ リベルサス(一般名:セマグルチド)
- 国内では「2型糖尿病」の治療薬として承認されています。減量目的での使用は適応外使用(自由診療)です。
- 同成分(セマグルチド)の注射製剤「ウゴービ」が、肥満症の治療薬として国内で承認されています。
- 同成分の注射製剤は、米国FDAにおいても肥満症治療薬として承認されています(2021年)。
- 国内の医薬品卸売業者を通じて正規流通品を仕入れています(個人輸入は行っていません)。
- 適応外使用において重篤な副作用が生じた場合、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があります。
■ 主な副作用
- 吐き気、嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状が報告されています。多くは治療の経過とともに軽快しますが、症状が強い場合はご相談ください。まれに膵炎、胆石症、低血糖などが生じることがあります。妊娠中・授乳中またはその可能性のある方、甲状腺髄様癌の既往歴・家族歴のある方、重度の胃腸障害のある方、膵炎の既往歴のある方は、この治療を受けることができません。
■ 効果には個人差があります
- 本ページに記載の臨床試験データは、特定の用量・期間における試験結果であり、すべての方に同様の効果を保証するものではありません。
















