「コロナワクチンについて考える」の第3弾です。
ワクチンのメリット(利点)
ワクチンを打つか打たないかはメリットとデメリットを比較して最終的にはご自身で判断することになります。
日本政府はアメリカのファイザー社とモデルナ社、それにイギリスのアストラゼネカ社の3社との間で合わせて1億5700万人分の供給を受けることで、契約や基本合意を交わしています。ファイザーが最初に日本国内での承認申請を行い、アストラゼネカが2社目の承認申請を行いました。
厚生労働省が公表しているデータでは、ファイザー製のワクチンの有効性は95%、モデルナ製は94.5%、アストラゼネカ製は70.4%となっています。インフルエンザワクチンの有効率は52.9%(2015/16シーズン)と報告あり、幸いにも効果が高いワクチンが早期にできたと言えるでしょう。
世界で最もコロナワクチン接種が進んでいるイスラエルでは、人口の38%が1回のワクチン接種を済ませ、2回接種の割合も20%を超えています(2021年1月末)。その結果「過去16日間で60歳以上のうち重症で入院した人は26%減り、コロナ陽性と確認された例は約45%減ったと」イスラエル首相表明しました。これは実社会でのコロナワクチンの有効性を示した最初データとして専門家に非常に注目されています。
メリットの要旨
■わずか1年で効果の高い、しかも大量生産可能なワクチンが完成した。
■日本政府は全国民分のワクチンを確保している。
■承認申請が順調にいけば、3月下旬から高齢者(65歳以上)を対象とした接種が開始できる。
■ワクチンは無料
■もし健康被害が起こった場合に、予防接種法に基づく救済が受けられる。
ワクチンのデメリット(欠点)
これが問題です。
まず、副反応の報告を挙げます。日本人のデータは現在ありませんが、ワクチンの使用許可が下りる時点で副作用の詳細が報告されます。また、2月下旬から始まる特定の医療従事者1-2万人を対象としたワクチン接種でその後の詳細な副作用が報告される予定です。よって、今ある報告は海外のデータです。
アメリカの疾病予防管理センターの報告(1/18時点)によると、重篤なアレルギー反応であるアナフィラキシーはファイザー社とモデルナ社合わせて100万回接種毎に4.1回です。インフルエンザワクチンの100万回接種毎に1.3回と比較するとやや多い印象はあります。
その他の副反応は以下の通りです。
(2回目接種後)
| 
 
  | 
 ファイザー  | 
 モデルナ  | 
 アストラゼネカ  | 
| 
 副反応  | 
 16-55歳  | 
 18-64歳  | 
 18-55歳  | 
| 
 疼痛(痛み)  | 
 78%  | 
 90.1%  | 
 49.0%  | 
| 
 発赤  | 
 6%  | 
 9.0%  | 
 2.0%  | 
| 
 腫脹(はれ)  | 
 6%  | 
 12.6%  | 
 0%  | 
| 
 発熱 ≧38.0℃  | 
 16%  | 
 17.4%  | 
 0%  | 
| 
 倦怠感  | 
 59%  | 
 67.6%  | 
 55.1%  | 
| 
 頭痛  | 
 52%  | 
 62.8%  | 
 30.6%  | 
| 
 悪寒  | 
 35%  | 
 48.3%  | 
 14.3%  | 
| 
 嘔気・嘔吐  | 
 2%  | 
 21.3%  | 
 8.2%  | 
| 
 筋肉痛  | 
 37%  | 
 61.3%  | 
 34.7%  | 
| 
 関節痛  | 
 22%  | 
 45.2%  | 
 6.1%  | 
(日本感染症学会 ワクチン委員会 COVID-19ワクチンに関する提言第1版 より)
この結果から、ワクチン接種部の痛みはほぼ必発で、倦怠感・頭痛が起こりやすく、他のワクチンと比べ高熱が出る割合が高いと言えるでしょう。いずれも軽度から中等度の症状がほとんどで、1-2日後には副反応は消失しています。その心積もりでワクチン接種を受けましょう。痛みや発熱症状が強い場合は解熱鎮痛薬を内服しても構いません。ワクチンの効果が低下することはありません。
その他の問題点
■ファイザーとモデルナのワクチンは新しい技術で創られたmRNAワクチンで、ヒトに実用化されるのが初めてのワクチンなので未知の部分があります。しかし、mRNAは不安定で分解されやすく長期間細胞内に残存することはなく、また人の染色体(細胞内の核)に組み込まれることはないと言われています。つまり安全性は高いということです。
■臨床試験の参加人数は数千~数万人なので、数万人に1人という稀な健康被害については正確な評価が今後必要になる。
■長期的な有害事象の観察はまだこれから。ワクチンを受けたことによる感染後の症状増悪(ワクチン関連疾患増悪:VAED)などはまだ評価不十分。ただし、開発段階からVAED対策として高い細胞性免疫応答と高い中和抗体力価を目標としており、試験結果からは達成できている。
■ワクチンの効果がいつまで続くかは不明。少なくとも半年は効果がありそうだが、1年で効果が弱くなるのか、10年続くのかは分からない。
■妊婦と16歳未満のデータがなく、有効性と安全性の評価ができていない。よって、妊婦と16歳未満の国民は当面コロナワクチンは受けることが出来ない。


				
				











