先月、ご高齢のおばあちゃんが2回目の急性心筋梗塞を発症し、当院を受診されました。
その方は、1回目の急性心筋梗塞後、毎月当院へ通院している方で顔なじみの患者様です。
1回目の心筋梗塞は5年以上前で、心臓のポンプ機能は軽度低下したものの、直近の5年間は心不全を起こすことなく落ち着いておりました。
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1月のある日の夕方、自宅でゆっくりしている時に急に胸痛が出現しました。
急性心筋梗塞の胸痛は激烈です。うずくまるような・・・
当院から徒歩数分の近くにお住いの方ですが、ご高齢でもあり胸痛が続く状態では一人で来院することは無理な状態でした。
そこで、家の前を通り過ぎていく中学生に声を掛けて、引き止めました。
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『のざきクリニックまで私を連れていってください』
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幸いなことに中学生はおばあちゃんを無事当院まで送り届けてくれました。
胸痛が持続していると聞いて、すぐに心電図室で検査をしました。
その時の様子は、目も開けずに顔をしかめて胸痛に耐えている様です。
心電図を確認すると、1回目の心筋梗塞時とは違う血管が詰まった所見の急性心筋梗塞です。
2回目の心筋梗塞は広範囲の心筋障害のため急激にポンプ機能が低下し、心不全や不整脈で急変を起こしやすくなります。
私は、初期治療を施し冷や冷やしながら救急担当病院へ救急搬送しました。
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後日、救急搬送した病院よりFAXで報告があり、無事カテーテル治療が終わり安定しているという内容でした。
その後の経過も良かったようで、今月になり退院され、その足でわざわざ当院まで挨拶に来られました。
その表情が元気そうで安堵しました。
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急性心筋梗塞は1分1秒を争う緊急事態です。
今回の件は、早期に専門的治療に結びつけられたことが救命につながりました。
そこで大きな役割を果たしたのが、通りすがりの中学生です。
彼(彼女?)がそこを通らなかったら、彼が力を貸してくれなかったら違った結末になっていた可能性があります。
岩倉市の中学生、バンザイヽ(^o^)丿