急性心筋梗塞とは、心臓を養う血管「冠動脈」が急に詰まって発症する病気です。
心臓の栄養血管が急に詰まると、詰まった血管がもともと養っていた範囲に血液が流れなくなるため、心臓の一部が死んでしまいます。
心臓の一部が死ぬとどうなるのか?
①心臓の一部が死ぬ時、激烈な痛みを伴います。我慢できない胸痛が何時間も持続します。
➁心臓は全身に血液を送るポンプの役割をしています。ポンプ機能が急激に低下し急性心不全を発症します。
③心臓の一部死んだ部位から不整脈が起こり、血圧低下し失神したりします。最悪の場合は突然死です。
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上記①~③のうち、全てが必ず起こる訳ではありませんが、①は必ず起こります。
我慢できない胸痛で救急搬送あるいは近くのクリニックを受診されるケースが多いと思います。
(図:トーアエイヨー(株)より)
心筋梗塞になると、心臓の一部が死んで動かなくなります。
死んだ部位を梗塞部位といいますが、梗塞部分が大きいほど心臓のポンプ機能の低下が顕著になり、心不全を起こしやすくなります。
心不全とは全ての心臓病が行きつく終末像です。
心不全は良くなったり悪くなったりしながら少しずつ進行し、末期に至ります。
(図:急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版) より)
急性心筋梗塞を繰り返すということは、心臓の梗塞部位がその度に広がることになり、もともと弱ったポンプ機能が「更に」・「急に」低下することになります。
弱った心臓が急な機能低下に耐えられるのか?皆さん想像してみましょう。
2回目の急性心筋梗塞が命取りになりかねない、ということが理解できると思います。
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次回、先月起こったある患者さんのお話をします。